施工に関する資格

<施工に関する資格>

工事監理の施工体制のチェックの中には,施工者の施工技術に関する資格のチェックがあります。これが実にたくさんあって複雑です。

<一級○○施工管理技士>

施工に関する資格としてもっとも普及しているものは,建設業法によるものです。同法第27条で「施工技術の向上を図るため,建設業者の施行する建設工事に従事しまたはしようとする者について政令で定めるところにより,技術検定を行うことができる」としており,政令第27条の3で6種類の検定種目を規定して実施しています。

6種類の検定種目:建設機械施工,土木施工管理,建築施工管理,電気工事施工管理,管工事施工管理,造園施工管理

これらは一級・二級に分かれており,合格した者は「一級○○施工管理技士」と称することができます。建設機械施工,土木施工,建築施工の二級については細分化されています。

この資格は,建設業法の許可(法第3条)をとる時に営業所に置くべき資格者でもあります。

【補足】合格発表の日と合格証明書の交付日とは違うのだそうです。法令上は「合格した者は○○と称することができる」とされているのですから,合格通知があれば資格者として有効です。建設業許可の資格要件である建設業法施行規則第7条の3にも「~合格した者」とされています。したがって,合格証明書が届いていなくてもそれまでの間は合格通知書で代えることができます。国土交通省通達国官技第208の2号平成27年1月8日でも明確化されています。

 <技能士>次に普及している資格として,職業能力開発促進法第44条第1項の技能検定があります。この技能検定では,「ウェブデザイン」「キャリア・コンサルティング」「ピアノ調律」など実にさまざまな業種に分割されています。この中で建設業に関係するものは,「建築板金」「建築大工」「かわらぶき」「とび」「左官」「ブロック建築」「配管」「型枠施工」「コンクリート圧送施工」などです。技能のレベルによって,「特級」「一級」「二級」「三級」「基礎一級」「基礎二級」に分かれています。

この技能検定に合格した人は「技能士」と称することができます。これらも,建設業法の許可(法第3条)をとる時に営業所に置くべき資格者です。

 <鉄骨工事の施工管理技術者>鉄骨工事の「施工管理技術者」について

国の標準仕様書の7章鉄骨工事に「施工管理技術者」(7.1.4)がありますが,これは法令などの根拠もなければ財団法人などが認定した資格者でもありません。標準仕様書では「品質管理を行う能力のある者」としているだけで,鉄骨工事に「施工管理技術者」を置くことを義務付けているものでもありません。ただ,特記仕様書で義務付けられていればつけなければいけません。で,つけなれければいけない場合に,これがどういう能力の人であるかについては,「監理指針」で規定しています。

監理指針によれば,つぎのふたつを該当する者の例としています。

  • 鉄骨製作管理技術者(鉄骨製作管理技術者登録機構による)
  • 鉄骨工事管理責任者(「日本鋼構造協会」の建築鉄骨品質管理機構による)

<あと施工アンカーの資格>

あと施工アンカー〉は施工が適切に行われていないと所定の性能を得ることができませんので,施工に関するいくつかの資格が定められています。「日本建築あと施工アンカー協会」が認定している資格です。

① あと施工アンカー施工士

② あと施工アンカー技術管理士

③ あと施工アンカー主任技士

の3つで,①の施工士は,アンカーボルトを実際に打ち込み作業をする人の資格で,第1種・第2種に分かれています。②の技術管理士は,施工はしませんが施工計画を立て,施工されたあと施工アンカーの耐力試験をします。③の主任技士は,①②両方の資格を持った人のことを言うそうです。おおまかな言い方として,①は施工する人で②が検査する人,ということになりますが,実は①で検査もできます。そのあたりは,同協会のパンフレットでわかりやすく解説されています。

あと施工アンカー資格認定制度総合案内

 <作業主任者>「作業主任者」は,「労働安全衛生法」第14条で規定されています。「政令で定める作業」について「作業主任者」を選任してその指揮のもとに作業を行うことになっています。「政令で定める作業」とは,令第6条で定めています。建築工事に関連するものとしては,

  • 掘削高さが2m以上となる岩石採取のための掘削(第6条第11号)
  • 型枠支保工の組立・解体作業(同第14号)
  • 高さが5m以上の足場の組立・解体作業(吊り足場や張り出し足場は高さに関係なく必要)(同第15号)
  • 軒高5m以上の木造建築物の構造部材の組み立て(同第15号の4)
  • 高さが5m以上のコンクリート工作物の解体(同第15号の5)
  • 石綿若しくは石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他の物を取り扱う作業(同第23号)

などがあります。これら以外にもありますから,正確には同法施行令第6条の第一号から第二十三号までを見てください。

これらの作業につけなければいけない作業主任者は技能講習などを修了したものでなければいけないことになっていまして,例えば,足場組立(第15号)であれば「足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者」となっています。詳しくは,労働安全衛生規則の別表1に規定されていますから見てください。

※ 作業主任者自体は資格者ではありません。作業主任者になるためには上記の資格が必要です。





工事監理の関連情報
施工体制のチェック

└〈建設業法の解説
└〈施工に関する資格

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このページの公開年月日:2013年7月

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