建設廃棄物処理の監理

<建設廃棄物処理の監理>

公共工事において廃棄物の処分は重要です。建設現場で発生する廃棄物を不法投棄する業者がこの世の中にはいるらしく,社会問題になっています。特に公共工事は模範を示さなければいけませんから,公共工事で発生する廃棄物は適正に処分されなければいけません。公共工事の工事監理においては廃棄物が適正に処理されたかどうかの点検は重要事項の一つです。


建築士の工事監理において,建設廃棄物の処理に必要なことを解説します。

まずは,廃棄物とは何?

一般廃棄物,産業廃棄物,建設廃棄物などの用語があります。廃棄物に関する用語は,「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)で定義されています。


廃棄物=ごみ,粗大ごみ,燃え殻,汚泥,ふん尿,廃油,廃酸,廃アルカリ,動物の死体その他の汚物又は不要物であって,固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)(法第2条第2項)

であり,

「廃棄物」=「一般廃棄物」+「産業廃棄物」(法第2条第2項)

産業廃棄物=事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃え殻汚泥廃油廃酸廃アルカリ廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物(法第2条第4項)

政令で定める廃棄物とは,令第2条で第一号から第十三号まであります。

一 紙くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),パルプ,紙又は紙加工品の製造業,新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。),出版業(印刷出版を行うものに限る。),製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され,又は染み込んだものに限る。)二 木くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。),パルプ製造業,輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの,貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)

三 繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)

四 食料品製造業,医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物

四の二 と畜場法 (昭和二十八年法律第百十四号)第三条第二項 に規定すると畜場においてとさつし,又は解体した同条第一項 に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律 (平成二年法律第七十号)第二条第六号 に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第一号 に規定する食鳥に係る固形状の不要物

五 ゴムくず

六 金属くず

七 ガラスくず,コンクリートくず(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものを除く。)及び陶磁器くず

八 鉱さい

九 工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物

十 動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る。)

十一 動物の死体(畜産農業に係るものに限る。)

十二 大気汚染防止法 (昭和四十三年法律第九十七号)第二条第二項 に規定するばい煙発生施設,ダイオキシン類対策特別措置法第二条第二項 に規定する特定施設(ダイオキシン類(同条第一項 に規定するダイオキシン類をいう。以下同じ。)を発生し,及び大気中に排出するものに限る。)又は次に掲げる廃棄物の焼却施設において発生するばいじんであって,集じん施設によって集められたもの

イ 燃え殻(事業活動に伴って生じたものに限る。第二条の四第七号及び第十号,第三条第三号ヲ並びに別表第一を除き,以下同じ。)

ロ 汚泥(事業活動に伴って生じたものに限る。第二条の四第五号ロ(1),第八号及び第十一号,第三条第二号ホ,第三号ヘ及び第四号イ並びに別表第一を除き,以下同じ。)

ハ 廃油(事業活動に伴って生じたものに限る。第二十四条第二号ハ及び別表第五を除き,以下同じ。)

ニ 廃酸(事業活動に伴って生じたものに限る。第二十四条第二号ハを除き,以下同じ。)

ホ 廃アルカリ(事業活動に伴って生じたものに限る。第二十四条第二号ハを除き,以下同じ。)

ヘ 廃プラスチック類(事業活動に伴って生じたものに限る。第二条の四第五号ロ(5)を除き,以下同じ。)

ト 前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで及び第五号から第九号までに掲げる廃棄物にあっては,事業活動に伴って生じたものに限る。)

十三 燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類,前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで,第五号から第九号まで及び前号に掲げる廃棄物にあっては,事業活動に伴って生じたものに限る。)又は法第二条第四項第二号 に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであって,これらの廃棄物に該当しないもの)


上記を,ちょっと解説します。

廃棄物の定義は,「ごみ,粗大ごみ,燃え殻,汚泥など,または,不要物」と第2条に列記されていますが,そもそも「ごみって何?」ということには法令上では触れていません。私は廃棄物のことは素人ですから正確なことは知りませんが,有価物か無価物かで区別されているようです。

例えば,新聞紙を1枚1枚ぐしゃぐしゃに丸めて集めたものは価値がありませんから捨てるために費用を要します。それは廃棄物です。でも,新聞紙をきちんとたたんで10kgぐらいずつの束にすれば買い取ってくれます。それは廃棄物ではありません。


法第2条第4項で定義される「産業廃棄物」のうち建設工事に関係ありそうなものは,

法第2条第4項第一号の「汚泥」と「廃プラスチック類」

令第2条第一号の「紙くず」

同第二号の「木くず」

同第三号の「繊維くず」←(断熱材があるから)

同第五号の「ゴムくず」

同第六号の「金属くず」

同第七号の「ガラスくず」と「陶磁器くず」

同第九号の「コンクリートの破片その他これに類する不要物」

でしょう。

私は,会社の事業活動によって発生する廃棄物をすべて「産業廃棄物」というのだと思っていましたが,法文上は上記のように限定されたものです。

「限定されたもの」とはいえ,第九号は「工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」ですから,解体にともなって生じたものはすべてこれに該当するのだと思います。例えば取り外した石膏ボードは第九号でしょう。


産業廃棄物のうち「生活環境に係る被害を生じる恐れがあるもの」を「特別管理産業廃棄物」としています。具体には政令で定めています。(法第2条第5項)

その政令は,令第2条の4で,PCBやPCBを含むもの,廃石綿や石綿を含むもの,ダイオキシンを含むものなどが指定されています。


建設工事については,法第21条の3に工事の元請けを事業者とすることが定められています。





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参考

「廃棄物」の定義で「ごみ,粗大ごみ,燃え殻,汚泥,,その他の不要物,,」とされていますが,「ごみとは何か」が示されていません。私の経験上,有価物かどうかで判断しているようです。廃棄するときに廃棄費用を必要とする場合が廃棄物として扱われています。

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このページの公開年月日:2014年10月8日

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