5月8日のブログ「ホテル所有者を業務上過失致死傷罪で起訴」で,2012年5月に起きたプリンスホテル火災の建物所有者への業務上過失致死傷罪で起訴したことを載せています。

その判決が,2017年1月25日に出ています。

「防火管理の基本的な注意義務に違反し,過失は重大」として禁固3年(執行猶予5年)の判決が出ています。

翌日の地元新聞で,福山市などから防火対策の不備を指摘されながらも,「是正や点検にお金をかけたくないという自己本位の理由から,約10年にわたり必要な措置を怠った」としています。弁護側は消防や福山市の査察や指導の不徹底を指摘してきたが,裁判長は「罪責を軽減させるものとはいえない」と退けています。

同じ紙面で,被害者側の視点に立った記事が出されており,「二度と起こらぬよう,ホテル経営者や行政は再発防止に努めてほしい」とのコメントや,「プリンスホテルの火災では行政と消防の査察の不備が相次いで発覚。福山市は建築基準法違反を見逃し,消防組合は定期査察を9年間怠った」としています。

この裁判では,被告である建物所有者は,自身の責任を認めており刑事処分を受け入れて控訴もしないことを表明しています。「ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいです」とする建物所有者の言葉も紙面で紹介されています。所有者の責任の大きさを示す判決であり本人も今となってはそれに気づき認めています。その一方で,裁判の中では,行政側の指導が行き届いていなかったことを主張しています。他の紙面では弁護人の言葉として「事件を契機に市や消防の査察が見直されるきっかけになってほしい」が紹介されています。これは,被害者の言葉であればわかるのですが,最大の責任者の言葉としては不適切だと思います。